「いのち育む有機稲作」ポイント研修

一般市民・農業者・普及員・研究員・インストラクターなどを対象とした「いのち育む有機稲作」の栽培ポイントに関する研修です。
有機稲作栽培でポイントとなる圃場整備、抑草技術、播種、田植え、肥培管理などを学びます。
ポイント研修に参加しようか迷っている方、抑草技術や輪作体系などを座学で学んでおきたい方は、講習会にもご参加ください。

誰でもどこでもできる生物の多様性を育む有機稲作

田植後、草取りに入らず、コナギもヒエも全く発生しない田んぼづくりのポイントは何かを詳しく解説します。前年度までに実施した地域での成功事例を紹介しながら、ポイントを押さえれば誰でも成功できる技術になってきたことをお伝えしたいと思います。

民間稲作研究所の技術を習得するには、住込みの研修を除いて最も効果的な研修会です。ご自分の水田で有機稲作を実践しながら、1回目代かき前、田植え直前、茎肥散布前、収穫後、と年4回~5回の講習を受講していただき、1年目から農薬・化学肥料を使用せずに雑草を抑える稲づくりの成功を目指します。

ご相談ください

10名以上集まれば、出張してポイント研修会を行いますので、除草問題にお悩みの地域の方は早めにご相談ください。田植後除草に入る必要のない抑草技術のポイントをお伝えいたします。

有機稲作の作業内容とポイント研修の時期

作業項目 時期 作業内容 実習および研修内容 研修開催時期 栃木本部会場 出張会場
土作り
ほ場整備
3月上旬 圃場整備 落水・畦塗り(高さ30cm)温水池兼ビオトープの整備、ドジョウなどの隠家・魚道設置 3月下旬 2日間 1日に凝縮
3月中旬 排水・元肥散布・耕起 発酵鶏糞またはコメヌカ発酵肥料、10kg、熔リン60㎏散布。浅く耕起。ビオトープ入水。
育苗 3月中旬 種もみの調整・乾燥 無消毒種子。比重1.15で塩水選、乾燥保管
3月下旬 置床作成 代かき均平後・排水し土を固める。
4月上旬 温湯殺菌処理・浸種 乾燥もみで60℃ 7分間処理、冷却・浸種(15℃で10日間)
床土調整 ph4.5~6.5の粒状赤土に有機元肥を容積比7:3で混合。水分40%に調整、紙袋で保管
4月中旬 苗箱土入・催芽・播種・灌水・出芽・入水 催芽25℃で15時間、播種量80g以下、播種機での灌水はしない。置き床に並べてから灌水。たっぷり3回。シルバーラブ被覆、1葉期に除去。入水・防鳥対策 4月中旬 2日間 1日に凝縮
生き物育成・抑草 4月中下旬 耕起・本田入水1回目代かき 発生した雑草も一緒に耕起し、浅く耕す。
入水し5センチの水位で高速回転を行うことでゆっくり浅く代かきし、雑草の種子を表層に移動する。5cmの湛水管理を田植え時まで継続
移植および抑草 5月中旬~6月上旬 2回目代かき・田植え 田植3日前に植え代・水位を5㎝以上にして高速回転させ、発生した雑草を浮かして除去。止水し、土が落着いたのを確認して田植え(坪60株以下)田植え直後から水位を7cm以上に保ち30日間維持。 5月中下旬 2日間 1日に凝縮
生物・生育調査 6月下旬 生育調査
茎肥診断
くも、カエル、赤とんぼ、ウンカおよび底生動物、水生昆虫などの調査。生育調査と茎肥 6月中旬 2日間 1日に凝縮
生育調査 7月中旬 中干し 生育調査と茎肥(発酵肥料または発酵ナタネ粕の追肥20~30kg)1週間以後は掛け流し管理
生き物調査 8月下旬 害虫・生き物調査 掛け流し管理、生き物・ウンカ調査、防除対策
刈取 10月中旬 収穫・調整・出荷 刈り取り10日前まで掛け流し管理・穂軸の青みが3分の1になった時点で収穫。 10月下旬 2日間 地域によって開催(5回目の内容を4回目に組み込むことがあります)
土づくり 10月下旬 元肥散布・土づくり 発酵鶏糞または発酵肥料散布、浅く耕起
地下水
涵養
11~2月 冬季湛水 地下水涵養と底生生物(ユスリカ・イトミミズ・ミジンコの発生を促す)の繁殖による水質改善
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