オンライン署名:わたしは、「あきたこまちR」を食べたくありません
https://v3.okseed.jp/news/5169
民間稲作研究所より、印鑰智哉理事からの報告とオンライン署名のお願いです。
秋田県の「あきたこまちR」に続き、山口県が重イオンビーム放射線育種米「コシヒカリ環1号」との後代交配種「晴るるR04」の品種登録を出願し、山口県でも始まってしまうかと身構えましたが、山口県の有機農家の方が山口県と交渉したところ、山口県はまだ様子見の状態とのことでした。この他、宮城県や兵庫県も様子見となっていると考えられます。
それだけ「あきたこまちR」がどう受け止められるかに、今後の「コシヒカリ環1号」系品種の拡大がかかっている状況だと言えるでしょう。
秋田県では大潟村のJAが従来の「あきたこまち」の生産を続けることを決め、有機農家の方たちも従来の「あきたこまち」の栽培を続けるということで、わずかではありますが、従来の「あきたこまち」の生産が続くものの、他のほとんどは「あきたこまちR」に変わってしまう予定になっています。秋田県のメディアはこの問題をすっかり報じなくなってしまったので、この問題を拡げることが困難な状況にもなっています。
今後、問題になってくるのが、農水省がこの重イオンビーム放射線育種米でも有機認証できるとしている問題です。到底、重イオンビーム放射線育種に有機認証は合わないと考えるべきだと思いますが、農水省はコーデックス委員会の基準には何も書かれていないので、有機認証して構わないと断言しています。しかし、それがまかり通れば、日本の有機認証への信頼が失墜してしまうのではないかと思います。
この「あきたこまちR」は特許がかけられており、「あきたこまち」は自家採種できますが、「あきたこまちR」を含む「コシヒカリ環1号」系品種はそれができません。重イオンビーム放射線育種によって破壊された遺伝子は潜性(劣性)であるため、交雑すればその性質が出なくなります。その性質を保つためには潜性同士を交配していかざるを得ず、近交弱勢によって、生命力が弱まってしまうことも懸念されると思います。そして、マンガンの低い水田の場合、出穂期に高温が続くと、収穫が2〜3割激減する可能性も指摘されています。こうした品種しか県が提供しない、という状況は日本のお米作りにはとても打撃になってしまうので、なんとか拡大を止めたいと思っております。
「あきたこまち」は全国31府県で生産されており、秋田県から種籾の提供を受ける府県でも来年から「あきたこまちR」に転換することになると考えられます。「コシヒカリ」などと共に日本を代表する品種であるため、全国のスーパーや学校給食でも使われるということで、全国的な問題として取り組む必要があるということで、まずはOKシードプロジェクトの方で、食べません宣言をしようという議論になり、オンライン署名を開始しました。
- オンライン署名フォーム https://act.okseed.jp/akitakomachir
- 趣旨説明 https://v3.okseed.jp/news/5169
- よくある質問 https://v3.okseed.jp/ionbeam/faq
この問題については9月30日に農水省・消費者庁と交渉する予定になっており、27日までに集まった第1次集約分の署名を提出する予定にしています。
なんとか1万筆は提出できるように集めたいと思っております。ぜひ、オンライン署名にご協力いただき、広めていただければ大変幸いです。
なお、9月30日の農水省・消費者庁との院内集会はオンラインでも参加が可能です。
大変お忙しい時期だと思いますが、オンライン署名はほんの1分でできますので、ぜひよろしくお願いいたします。
印鑰 智哉(NPO法人民間稲作研究所常任理事・OKシードプロジェクト事務局長)